獣医系大学等の教育における学生の学習到達度を判定するための共通の評価試験(共用試験)に関する事業を行います

NPO法人獣医系大学間獣医学教育支援機構 獣医学共用試験

一般の方

獣医学共用試験について

獣医学共用試験とは何ですか?

獣医学共用試験は、獣医学教育課程(6年制)の学生が参加型臨床実習を始める前に受ける試験です。全国の獣医学教育を受けている学生が共通で利用する評価試験となります。共に用いることから共用試験と呼ばれ、医学・歯学では2005年度から、薬学では2010年度から実施されています。

獣医学共用試験はなぜ必要なのですか?

獣医師の資格がない学生が動物病院で動物(患畜)に接する場合には、必要不可欠な知識・技能・態度が備わっていることを動物所有者(飼育者)に示し、診療に参加することに同意してもらわなければなりません。このため、診療に参加する学生の知識・技能・態度のレベルが一定水準以上であることを保証する必要があります。

獣医学共用試験は、獣医学教育を実施している大学が、実習に臨む学生に必要な最小限の知識・技能・態度の到達レベルを公平かつ厳正に評価し、その質を動物所有者(飼育者)と社会に保証するために実施します。


獣医学共用試験では、どのような試験が行われますか?

獣医学共用試験は、「知識および問題解決能力を評価する客観試験(vetCBT)」と、「技能・態度を評価する客観的臨床能力試験(vetOSCE)」に分けられます。概要は以下の通りです。

vetCBTはコンピュータを用いた試験(Computer-Based Testing)です。 多肢選択問題が学生ごとにランダムに出題され、獣医学生として参加型臨床実習を受講する前に最低限必要な知識が問われます。普段の学習をしっかりしておけば、特別な準備をする必要のないレベルの問題が出題されます。

vetOSCE(Objective Structured Clinical Examination)は、基本的な臨床技能および態度を客観的に評価するために実施されます。いくつかのステーション(診察室)が準備され、受験生はそれを順に回って課題表に示された項目について定められた時間内に回答していきます。

獣医学共用試験と獣医師国家試験の違いは何ですか?

獣医師国家試験は、国家資格である獣医師の免許を取得するための試験です。農林水産省が管轄し、獣医師法第16条第2項に基づいて行われます。受験資格は、獣医学の正規の課程を修めた者に与えられます。

一方、獣医学共用試験は、獣医学教育の必須科目を定めたモデル・コア・カリキュラムの参加型臨床実習を受けるにあたり、受講に相応しい学生かどうかを評価するために実施されます。学生の保証そのものは各大学が責任を負いますが、より客観性を高めるため、大学関係者が運用する共通試験(獣医学共用試験)を利用する、というものです。

卒業後の獣医師の質保証は国家試験が、在学中の学生の質保証は大学が担うという点をご理解頂ければと思います。

獣医学共用試験はどの様な議論を経て実施されることになったのでしょうか?

2010年6月に獣医事審議会計画部会より答申された「獣医学教育における獣医学生の臨床実習の条件整備に関する報告書」では、臨床実習において獣医学生に許容される医療行為の範囲が定められました。その中で、臨床実習の前に各大学において各学生の知識・技能の到達水準に関する評価を行うよう求めています。さらに、同報告書では、先行する医学分野の総合的評価法として共用試験について紹介され、同様な検討を獣医学関係大学に求めています。

このことを受けて、文部科学省の獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議で議論が行われ、2011年5月に、「共用試験の導入に向けた検討(診療行為に参加する学生の事前評価について社会的信頼を得る仕組みを構築)が必要」との答申がなされ、実施に向けての準備が始まりました。

国家資格と関係する医学・歯学・薬学において、違法性阻却を目的に共用試験が実施され、社会的認知を受けている事実からすれば、獣医師法においても同様に考えるのは極めて自然です。ただし、学生の質の担保は各大学の責任であり、共用試験による評価だけでなく単位認定等の独自の評価を加えることも考えておかなければなりません。

獣医学共用試験制度の管理運営

獣医学共用試験実施に向けての今後の計画を教えてください。

2016年度の本格的実施に向けて段階的にトライアル試験を行い、その結果を検証しながら間違いのない獣医学共用試験制度を構築する計画です。全大学が参加するvetCBT及びvetOSCEトライアル試験を実施し、次年度からの本格実施に備える計画です。

トライアル試験には、問題精選という重要な目的もあります。登録された問題を多数の学生に予め解かせることにより、各問題の項目識別率、項目難易度などを項目反応理論(Item Response Theory)により求めます。この手法により試験問題の特性が判明しているプール問題を用い、ランダム出題というやり方で、「異なった時期に、異なった場所で、異なる能力の学生が受験しても、公平な評価を行うことが出来る」ようになります。

獣医学共用試験の受験料はどのくらいでしょうか?

トライアル試験は、2014年度までは科学研究費で、2015年度は機構が参加大学から徴収した会費で実施しますので、受験料は無料です。2016年度以降の獣医学共用試験では受験料を徴収しますが、1人25,000円になる予定です。なお、医学・歯学及び薬学の共用試験の受験料は、それぞれ28,000円及び25,000円となっています。

獣医学共用試験の実施

共用試験の実施時期はいつですか?

4年生後期及び5年生前期終了時の2回を計画しています。各大学は、参加型臨床実習の開講時期に合わせてどちらかを選択することができます。vetCBT問題はランダムに学生間で異なる問題が出題され、vetOSCEは態度・技能を問うことから、全国で統一的な日程を設定する必要はありません。したがって、各大学でそれぞれの事情に応じて日程を決めることが出来ます。具体的には、各学期が終了する2月あるいは8月の初旬を考えています。